ダンス部の顧問をしているので、当然 DANCER であると思いこまれていることも多い。

悪くない気分になる。

生徒にしろ、教員にしろ、そう決めつけている人は意外にいる。そのことを否定するのもなんだかもったいないので何となくごまかしたままにしておきたい感じだったりもする。

いつか俺も踊るから、的雰囲気で。

 

3年生も、2年生もかつて新入生だったように、今新入生が練習している。だから、新入生である、1年生は当たり前ながらダンス部の将来そのもの。

3年生も、2年生も、自分たちがかつて新入生で、自分がその時感じたことの記憶がすべてになっている。その記憶はまた部分的に強められたり、弱められたりしている。

それはそうであるけれど、真実はそうではない。あらゆるものごとは少しづつ刷新されてゆく。これまでになかった部分が付け加えられ、これまでにあった部分が剥ぎ取られてゆく。そのようにしてものごとは形を変えてゆくし、人間の集団はそのようにしか存在しえない。

だから常に新しい視点を忘れないようにしてもらいたい。変わってゆくこともまた伝統を受け継ぎ、繋いでいくことである。

どのような活動体であれ、その時、その時の新しい決断が求められる。同じことの繰り返しは同じことの繰り返しではなくなってゆくのだ。川の流れが一瞬たりとも同じではないように。

その視点を常に自分の中に置いておこう。

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